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遺言には、① 公正証書遺言、② 自筆証書遺言、③ 秘密証書遺言の3種類があります。
それぞれにメリット・デメリットがありますので、要件が合う方法をお選びください。
公正証書遺言は、公証人という法律の専門家が関与するので、複雑な内容であっても、法律的に見てきちんと整理した内容の遺言にしますし、もとより、方式の不備で遺言が無効になるおそれもありません。また、公正証書遺言は、遺言をその場で訂正する場合でも、公証人が責任をもって訂正手続を行います。
自筆証書遺言は、遺言者が、紙に、自ら遺言の内容の全文を手書きし、かつ、日付および氏名を書いて、署名の下に押印することにより作成します。
遺言書をパソコン等で作成した財産目録を添付したり、銀行通帳のコピーや不動産登記事項証明書等を財産目録として添付したりすることが認められるようになりました(民法968 条)。この場合、これらの財産目録には、遺言者が毎葉(手書きでない部分が両面にあるときは、その両面)に署名し、押印しなければなりません。
秘密証書遺言は、遺言者が遺言の内容を記載した書面に署名押印をし、これを封筒に入れ、遺言書に押印した印章と同じ印章で封印をした上、公証人および証人2名の前にその封書を提出し、自己の遺言書である旨ならびにその筆者の氏名および住所を申し述べ、公証人が、その封紙上に日付および遺言者の申述を記載した後、遺言者および証人2名とともにその封紙に署名押印して作成します。
① 公正証書遺言は公証人が、親身になって相談を受け、必要な助言をしますので、遺言者にとって、その意向に沿った最善と思われる遺言書を作成することができます。
・遺言者本人の3か月以内に発行された印鑑登録証明書 ただし、印鑑登録証明書に代えて、運転免許証、旅券、マイナンバーカード(個人番号カード)、住民基本台帳カード(同カードは平成27 年12 月に発行を終了していますが、有効期間内であれば利用できます。)等の官公署発行の顔写真付き身分証明書を遺言者の本人確認資料にすることもできます。 |
・遺言者と相続人との続柄が分かる戸籍謄本や除籍謄本) |
・財産を相続人以外の人に遺贈する場合には、その人の住民票、手紙、ハガキその他住所の記載のあるもの。法人の場合には、その法人の登記事項証明書または代表者事項証明書(登記簿謄本) |
・不動産の相続の場合には、その登記事項証明書(登記簿謄本)と、固定資産評価証明書または固定資産税・都市計画税納税通知書中の課税明細書 |
・預貯金等の相続の場合には、その預貯金通帳等またはその通帳のコピー |
・遺言者の方で証人を用意される場合には、証人予定者の氏名、住所、生年月日および職業をメモしたものを用意 |
② 自筆証書遺言は民法(明治29年法律第89号)第968条の自筆証書によってした遺言に係る遺言書に限られています。
・遺言書の全文、遺言の作成日付及び遺言者氏名を、必ず遺言者が自書し押印します。 |
・財産目録は自書でなくパソコンを利用したり不動産(土地・建物)の登記事項証明書や通帳のコピー等の資料を添付する方法で作成することができますが、その場合は、その目録の全てのページに署名押印が必要です。 |
・書き間違った場合の訂正や内容を書き足したいときの追加は、その場所が分かるように示した上で訂正又は追加した旨を付記して署名し訂正又は追加した箇所に押印します。 |
・用紙ついてはA4サイズ。記載した文字が読みづらくなるような模様や彩色がないもの。一般的な罫線は問題ありません。必ず最低限、上部5ミリメートル、下部10ミリメートル、左20ミリメートル、右5ミリメートルの余白をそれぞれ確保してください。 ★余白が確保されていない場合や,余白に1文字でも何らかの文字等がはみ出してしまっている場合は書き直さなければいけません。 |
・片面のみに記載。用紙の両面に記載して作成された遺言書は無効で財産目録も同様です。 |
・各ページにページ番号を記載。ページ番号も必ず余白内に書いてください。 例)1/2、2/2(総ページ数も分かるように記載してください。) |
・複数ページある場合でも、ホチキス等で綴じない。スキャナで遺言書を読み取るため、全てのページをバラバラのまま提出。 |
③ 秘密証書遺言は自筆証書遺言と異なり、自書である必要はないので、遺言書は、パソコン等を用いて文章を作成しても、第三者が筆記したものでも、差し支えありません。
・遺言書の本文を用意。自筆証書遺言の場合は全て自筆で手書きする必要がありますが、秘密証書遺言の方はワープロやパソコンを使っても代筆でも可能で日付の記載も不要。 |
・署名は自筆で手書きが必要。 |
・自分でその遺言書を封筒などに入れ、遺言書に押したのと同じ印鑑で封印。 |
・遺言者はその封筒を持って証人2人と公証人1人の前に行き、その封筒などに入ったものが自分の遺言書である旨を伝える。もし中の文書の代筆を頼んだ場合は代筆した人の住所氏名も伝えなければなりません。しゃべれない状態にある方は通訳を通じて公証人や証人に伝えます。 |
・必要な費用を支払い公証人や証人が必要事項を記入し、その封筒などを返却。秘密証書遺言は完成し、遺言書の保管は自分で行います。 |
・以上の手続きを踏んでいない秘密証書遺言は無効 |
・秘密証書遺言を見つけた人はそれを開封する前に家庭裁判所に持ち込んでそこで開封手続きを行う必要があります。 |
① 公正証書遺言の場合は、士業者や銀行等を介しての公証人、または直接、公証役場へ予約を取って公証人への依頼になりますので、お任せして大丈夫です。② 自筆証書遺言、③ 秘密証書遺言の場合は、自己作成になるので以下の点にご注意ください。
手書きの場合の遺言書は長期間保存しますので消えるインク等は使用せずボールペンや万年筆などの消えにくい筆記具を使用してください。署名も同様です。遺言者の氏名は、ペンネーム等ではなく戸籍どおりの氏名(外国籍の方は公的書類記載のとおり)を記載しなければなりません。
※民法上は、本人を特定できればペンネームでも問題ないとされていますが、遺言書保管の場合、申請時に提出いただく添付資料等で、申請人である遺言者本人の氏名を確認した上でお預かりするためペンネーム等の公的資料で確認することできない表記である場合は無効。
自筆証書遺言の場合の遺言書様式の注意事項を記載します。
秘密証書遺言の場合も適応できるのでご参考まで。
・財産目録以外は全て自書する必要があります。 |
・作成日付は遺言書を作成した年月日を具体的に記載する必要があります。「○年○月吉日」などの記載は不可です。 |
・内容の変更・追加がある場合は、その場所が分かるように明示して変更・追加の旨を付記して署名し変更した場所に押印が必要。 ※変更・追加等がある場合には書き直すことをおすすめします。署名及び押印が必要です。押印は認印でも問題ありませんがスタンプ印は避けてください。 |
・遺言者の氏名は住民票や戸籍の記載どおりに記載してください。ペンネーム等の公的書類から確認できない記載では、無効。 |
・用紙はA4サイズで文字の判読を妨げるような地紋、彩色等のないものを使用。 |
・余白を必ず確保しページ数や変更・追加の記載を含めて余白部分には何も記載しない。 |
・片面のみを使用し裏面には何も記載しない。 |
・長期間保存しますのでボールペン等の容易に消えない筆記具を使用。 |
・財産の特定のためには遺言書に財産目録を添付。 |
・推定相続人(相続が開始した場合に相続人となるべき者)には「相続させる」又は「遺贈する」と記載。
※推定相続人に対して財産を「相続させる」旨の遺言をする場合は遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】に記載は不必要。 ※推定相続人に対して財産を「遺贈する」場合は遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】に受遺者として、その氏名等を記載。 |
・推定相続人以外の者には「相続させる」ではなく「遺贈する」と記載。
※推定相続人以外の者に対して財産を「遺贈する」場合は遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】受遺者として、その氏名等を記載。 |
・遺言執行者については遺言書の保管申請書の【受遺者等・遺言執行者等欄】にその氏名等を記載。 |
不動産の場合、登記事項証明書の一部分や通帳のコピーを財産目録として使用可能です。
・不動産の場合、所在、地番・家屋番号等により当該物件が特定できれば登記事項証明書の一部分やコピーを財産目録として添付 |
・財産目録は自書する必要はありませんが、その場合は記載のある全てのページに署名及び押印が必要。 |
・通帳のコピーを財産目録として添付するときは銀行名、支店名、口座名義、口座番号等が分かるページをコピー。 |
・各ページには本文と財産目録を合わせて通し番号でページ数を記載。“1/2、2/2”のように総ページ数の分かるよう記載。 |
・用紙はA4サイズで文字の判読を妨げるような地紋、彩色等のないものを使用。 |
・長期間保存しますので財産目録としてコピー等を添付する場合、感熱紙等は避け印字が薄かったり不鮮明である場合は印刷・コピーをやり直すことをお勧めします。 |
・片面のみを使用して作成してください。裏面には何も記載しないでください。 |
余白は左20ミリメートル以上、上・右5ミリメートル以上、下10ミリメートル以上を確保。
無地の用紙も、もちろん使用可能です。罫線は文字の判読を妨げないもの。
① 公正証書遺言、② 自筆証書遺言、③ 秘密証書遺言の3種類があり、用途も様々です。
ご予算や状況に合わせてご相談ください。
(法務省ホームページ参照)
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